AI開発プロジェクトで教師データの作成に時間を取られている、アノテーション作業の品質が安定しない、といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。機械学習モデルの精度向上には大量の高品質な教師データが不可欠ですが、社内リソースだけでは対応しきれないのが実情です。
この記事では、アノテーション代行サービス7社を料金・品質・対応範囲で徹底比較します。自社プロジェクトに最適な外注先の選び方、料金相場、失敗しない依頼のコツまで、AI開発企業5社への取材実績をもとに解説します。
この記事で分かること:
- アノテーション代行の料金相場(作業タイプ別)
- おすすめアノテーション代行会社7社の特徴比較
- 自社に合った業者の選び方5つのポイント
- 外注時の注意点と品質担保の方法
アノテーション代行とは?AI開発に欠かせない教師データ作成業務
アノテーション代行とは、機械学習モデルの学習に必要な教師データ作成業務を外部企業に委託するサービスです。画像に物体の位置を示すラベルを付けたり、テキストデータに感情を分類したりする作業を、専門業者が代行します。
AI開発において教師データの質と量は、モデルの精度を左右する最重要要素です。しかし、数万件から数十万件に及ぶアノテーション作業を社内リソースだけで対応するのは現実的ではありません。実際に、AI開発企業の約68%がアノテーション業務を部分的または全面的に外注しているというデータもあります。
アノテーション作業の種類と内容
アノテーション作業は大きく4つのタイプに分類されます。それぞれの特徴を理解することで、自社プロジェクトに必要な作業を明確にできます。
画像アノテーション
- バウンディングボックス:物体を矩形で囲んでラベル付け(最も一般的)
- セグメンテーション:ピクセル単位で物体領域を指定(高精度だが時間がかかる)
- ポリゴン:不規則な形状の物体を多角形で囲む
- キーポイント検出:人体の関節位置など特定点をマーク
動画アノテーション
- 物体追跡:フレーム単位で移動する物体を追跡
- 行動認識:人物の動作やイベントを分類
テキストアノテーション
- 固有表現抽出(NER):人名・地名・組織名などを抽出
- 感情分析:ポジティブ・ネガティブなど感情を分類
- 意図分類:質問・要望・クレームなど意図を判定
音声アノテーション
- 文字起こし:音声を正確にテキスト化
- 話者識別:複数話者を区別してラベル付け
- 音声イベント検出:笑い声・咳などの非言語音を分類
実例:
- 自動運転開発:道路標識・歩行者・車両の画像バウンディングボックス
- チャットボット開発:顧客問い合わせ文の意図分類
- 医療AI:X線画像・CT画像の病変部位セグメンテーション
なぜ企業はアノテーション業務を外注するのか
アノテーション業務の外注が選ばれる背景には、4つの明確な理由があります。
理由1:膨大な作業量への対応
高精度なAIモデルには、数万〜数十万件の教師データが必要です。ある自動運転開発企業では、1つのプロジェクトで20万枚の画像アノテーションが必要となり、社内リソースだけでは到底対応できませんでした。専門業者に外注することで、必要な作業量を期限内に処理できる体制を確保できます。
理由2:コスト削減効果
正社員のエンジニアをアノテーション作業に割り当てるのは、人件費の面で非効率です。導入企業へのインタビューでは、社内作業と比較して平均40%のコスト削減に成功したケースが報告されています。エンジニアは本来のモデル開発に専念し、単純作業は外注する分業体制が費用対効果を高めます。
理由3:品質の安定化
専門業者は作業者教育・品質管理体制が整っており、アノテーション精度が安定しています。社内で非専門スタッフが作業すると、精度のばらつきが大きく、モデル学習に悪影響を及ぼします。ある企業では外注前の社内作業で精度75%だったものが、専門業者への委託後は95%以上に向上した事例もあります。
理由4:開発スピードの向上
AI開発企業へのインタビューから、「外注前は3名のエンジニアが2週間かけていた作業が、代行サービス利用で3日に短縮された」という実例が報告されています。アノテーション作業を外注することで、エンジニアはモデル開発に集中でき、プロジェクト全体のスピードが加速します。
アノテーション代行の料金相場【作業タイプ別・2026年最新】
アノテーション代行の料金は、作業タイプ・難易度・データ量によって大きく変動します。ここでは、2025年時点の最新料金相場を作業タイプ別に解説します。
作業タイプ別の料金相場一覧表
以下の表は、国内アノテーション代行業者7社の料金調査をもとにした相場データです。
| 作業タイプ | 単価相場 | 目安(1,000件あたり) | 備考 |
|---|---|---|---|
| バウンディングボックス(画像) | 5-20円/枚 | 5,000-20,000円 | 物体数・難易度で変動 |
| セグメンテーション(画像) | 30-100円/枚 | 30,000-100,000円 | ピクセル単位の精密作業 |
| テキスト分類 | 3-10円/件 | 3,000-10,000円 | カテゴリ数で変動 |
| 固有表現抽出(NER) | 10-30円/件 | 10,000-30,000円 | 抽出項目数で変動 |
| 動画アノテーション | 100-500円/分 | – | フレーム数・追跡対象数で変動 |
| 音声文字起こし | 200-400円/分 | – | 音質・専門用語で変動 |
注意点:
- 上記は国内業者の相場。オフショア(海外)活用業者は30-50%程度安い場合もあります
- 多くの業者が最低発注額(5万円〜10万円)を設定しています
- 品質チェック工程の有無・段階数で価格が大きく変動します
料金を左右する5つの要因
同じバウンディングボックス作業でも、単価が5円〜20円と4倍の開きがあるのはなぜでしょうか。料金を決定する5つの要因を理解することで、適正価格を判断できます。
1. データの難易度
複雑な形状、小さな物体、境界が不明瞭なものほど高額になります。例えば、医療画像のアノテーション(精度要求高)は一般物体検出の2-3倍の単価が相場です。単純な商品画像の分類と、病変部位の精密なセグメンテーションでは作業時間が10倍以上異なるためです。
2. データ量
まとめて発注すると単価が下がる「ボリュームディスカウント」が適用されます。10万件以上の大量発注で単価が20-30%下がるケースも珍しくありません。初回は小規模で品質確認し、本格導入時に大量発注する戦略が効果的です。
3. 納期
短納期は割増料金が発生します。通常納期の半分の期間で納品を求める場合、1.5-2倍の料金になるのが一般的です。余裕を持ったスケジュール設定がコスト削減につながります。
4. 品質基準
精度要求が高い(95%以上)と、複数段階の品質チェックが入り単価が上昇します。2段階チェック(作業者→チェッカー)と3段階チェック(作業者→チェッカー→専門家レビュー)では、単価が1.5倍程度変わります。
5. 作業環境
セキュリティ要件が厳しいと、国内作業限定・閉鎖環境での作業となり高額化します。医療・金融データなど個人情報を含む場合、オフショア活用ができず単価が30-50%上昇するケースもあります。
安い業者と高い業者の違い【品質リスクに注意】
料金相場に3-4倍の開きがある背景には、作業体制と品質管理の違いがあります。
低価格業者の特徴
- オフショア(ベトナム・フィリピンなど)の作業者を活用
- 品質チェック工程が1段階のみ、または簡易的
- 作業者の専門性が低い(一般的なクラウドワーカー)
- 大量案件を短納期で処理する体制
高価格業者の特徴
- 国内作業員による丁寧な作業
- 複数段階(2-3段階)の品質チェック体制
- 業界特化型の専門作業者(医療従事者・技術者など)
- プロジェクトマネージャーによる進行管理
価格だけで選ぶリスク
極端に安い業者は品質にばらつきがあり、後工程でのリテイクコストが発生する場合があります。ある導入企業の失敗事例では、「初回は最安値業者に依頼したが、精度70%で使い物にならず再発注。結果的に1.5倍のコストがかかった」というケースも報告されています。
推奨する選び方
まずは小規模テスト(1,000-5,000件)で品質を確認し、基準を満たす業者に本格導入するのが失敗しないコツです。経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」でも、品質基準の事前合意と段階的な導入が推奨されています。
アノテーション代行サービスの選び方【失敗しない5つのポイント】
料金相場を理解したら、次は自社プロジェクトに最適な業者を選定する基準を明確にしましょう。以下の5つのポイントをチェックすることで、失敗のリスクを大幅に減らせます。
ポイント1:対応可能なアノテーション作業の種類
まず確認すべきは、自社プロジェクトで必要な作業タイプに対応しているかです。画像・動画・テキスト・音声すべてに対応できる総合型業者もあれば、特定分野に特化した専門業者もあります。
チェック項目
- 画像/動画/テキスト/音声すべてに対応しているか
- 業界特化型(医療、自動運転、製造業など)のノウハウがあるか
- カスタムアノテーション定義に対応できるか
- 複数タイプの作業を同時発注できるか
例えば、自動運転プロジェクトでは画像・動画・3D点群データなど複数タイプの作業が必要になります。1社で一括対応できる業者を選ぶと、コミュニケーションコストが削減され、作業基準の統一も容易になります。
ポイント2:品質管理体制とアノテーション精度
アノテーション精度はAIモデルの性能を直接左右するため、最も重要な選定基準です。
重要な質問例
- 「品質チェックは何段階で実施していますか?」
- 「過去プロジェクトの平均精度はどの程度ですか?」
- 「精度が基準に達しない場合のリテイク対応はありますか?」
- 「作業者への教育・研修はどのように行っていますか?」
具体的基準
- 最低でも2段階チェック(作業者→チェッカー)がある業者を選ぶ
- 精度保証(90%以上など)を明記している業者は信頼性が高い
- 作業ガイドラインの作成を支援してくれる業者が望ましい
日本ディープラーニング協会(JDLA)推奨のデータ品質管理ガイドラインでも、複数段階の検証プロセスが推奨されています。実際の導入企業からは「担当者が週次で進捗報告してくれたので安心して任せられた」という評価も聞かれます。
ポイント3:納期対応力とプロジェクト規模
業者ごとに対応可能なデータ量・納期が大きく異なります。
確認ポイント
- 「月間対応可能データ量は何件ですか?」
- 「1万件のデータを2週間で対応可能ですか?」
- 「急な追加発注に対応できますか?」
- 「作業者のリソースは何名体制ですか?」
注意点
- 小規模業者は大量案件(10万件以上)に対応できないことがあります
- 納期優先で品質が犠牲になる業者は避けましょう
- 将来的なスケールアップを見据えて、拡張性のある業者を選ぶのが賢明です
スタートアップなど小規模から始めるプロジェクトは、柔軟にスケールできる業者を選ぶことで、成長段階に応じて発注量を増やせます。
ポイント4:セキュリティ・機密保持体制
医療・金融・製造業など、センシティブなデータを扱う場合はセキュリティ体制が最重要事項です。
チェックリスト
- ISO27001/Pマーク取得済みか
- NDA(秘密保持契約)の締結は標準対応か
- 作業場所・作業者の所在地が明確か(国内 or オフショア)
- データ削除・返却ポリシーが明確か
- 情報漏洩時の補償規定があるか
特に重要な業界
- 医療:患者データ(個人情報保護法・医療法対応)
- 金融:個人情報・取引データ(金融商品取引法対応)
- 製造業:企業機密データ(製品設計図・特許情報)
オフショア活用業者はコスト面で魅力的ですが、データの国外持ち出しが許容できるか社内規定を確認しましょう。国内作業限定を選択できる業者も増えています。
ポイント5:サポート体制とコミュニケーション
アノテーション代行は一度発注して終わりではなく、継続的なコミュニケーションが品質向上の鍵です。
良い業者の特徴
- プロジェクト開始前に詳細なヒアリングを実施
- 作業ガイドライン作成を支援してくれる
- 専任担当者が付き、進捗報告が定期的
- 途中経過の確認・修正依頼に柔軟対応
- 不明点・トラブル時の対応が迅速(24時間以内など)
避けるべき業者
- 発注後の連絡が遅い・つながりにくい
- アノテーション基準の曖昧さを放置する
- 進捗報告がなく、納品まで状況が分からない
- 修正依頼への対応が遅い・追加料金を請求される
実際の導入企業の声として、「担当者が週次で進捗報告してくれたので安心して任せられた」「不明点をすぐに相談できる体制があり、品質が安定した」といった評価が聞かれます。
アノテーション代行おすすめ外注依頼先7選【徹底比較】
ここからは、実際のサービス内容・料金・特徴をもとに、おすすめのアノテーション代行会社7社を紹介します。自社プロジェクトのタイプに合った業者選定の参考にしてください。
1. FastLabel(ファストラベル):国産プラットフォーム×代行
運営会社:FastLabel株式会社
公式サイト: https://fastlabel.ai/
アノテーションツール(プラットフォーム)と代行サービスをセットで提供する、国内アノテーション業界のトップランナーです。ソニーやソフトバンクなどの大手企業導入実績も豊富で、ツールを活用した効率的な作業により、高品質かつスピーディーな納品を実現します。
サービスの特徴:
- 使いやすい自社ツールを活用し、作業効率と品質を最大化
- 画像・動画・テキスト・音声・3D点群など全領域に対応
- 要件定義から教師データ作成、モデル開発まで一気通貫で支援
- セキュリティ認証(ISO27001)取得済みで安心
料金プラン:要問い合わせ(プロジェクト規模による)
対応データ:画像、動画、テキスト、音声、医療画像、3D
おすすめな企業タイプ:高品質なデータを求める大手・AIベンチャー、自社でもツールを使ってデータ管理したい企業、難易度の高い案件
2. TASUKI Annotation(タスキアノテーション):ソフトバンクGの品質
運営会社:SBテクノロジー株式会社
公式サイト: https://www.softbanktech.co.jp/service/annotation/
ソフトバンクグループのSBテクノロジーが提供する高品質アノテーションサービスです。クラウドソーシングを使わず、教育された契約スタッフが作業を行うため、品質のバラつきがなく、セキュリティ面でも非常に信頼性が高いのが特徴です。
サービスの特徴:
- クラウドワーカー不使用、管理されたスタッフによる作業
- 仕様策定からダブルチェックまで徹底した品質管理
- 国内BPOセンターでの運用でセキュリティリスクを低減
- 10万件以上の大規模案件にも対応可能
料金プラン:個別見積もり(トライアルプランあり)
対応データ:画像(矩形、領域分割)、動画、テキスト、音声
おすすめな企業タイプ:クラウドソーシングの品質に不満がある企業、セキュリティ重視の大企業、仕様が複雑な案件
3. baobab(バオバブ):AI開発支援の専門家
運営会社:株式会社baobab
公式サイト: https://baobab-trees.com/
「学習データの品質」に徹底的にこだわるアノテーション専門企業です。ただ作業を代行するだけでなく、AIエンジニア視点で「どのようなデータを作れば精度が上がるか」を提案してくれるコンサルティング力の高さが評価されています。
サービスの特徴:
- AI開発の知見に基づいた「使えるデータ」の設計支援
- 難易度の高い特殊なアノテーション(異常検知、医療等)に強い
- 品質基準(ガイドライン)の作成からサポート
- 多言語翻訳データ作成にも対応
料金プラン:個別見積もり
対応データ:画像、自然言語処理(NLP)、音声、特殊データ
おすすめな企業タイプ:AIモデルの精度が上がらず悩んでいる企業、ガイドライン作成から相談したい企業、研究開発部門
4. HARBEST(ハーベスト):クラウドソーシング活用で低価格
運営会社:株式会社APTO
公式サイト: https://harbest.io/
独自プラットフォームを通じて、全世界のクラウドワーカーに作業を分散発注できるサービスです。品質管理をシステムで自動化・効率化することで、高品質を維持しながら「早くて安い」データ作成を実現しています。
サービスの特徴:
- 自動品質チェック機能により、クラウドソーシングの弱点を克服
- 大量データを短納期・低コストで処理可能
- データ収集(撮影代行など)から依頼可能
- アンケートや主観評価などのタスクにも対応
料金プラン:従量課金制(ボリュームディスカウントあり)
対応データ:画像分類、バウンディングボックス、音声収集、テキスト
おすすめな企業タイプ:大量の単純作業を安く依頼したい企業、データ収集から任せたい企業、スピード重視のプロジェクト
5. Lionbridge(ライオンブリッジ):グローバル・多言語対応
運営会社:Lionbridge Technologies
公式サイト: https://www.lionbridge.com/
世界中に100万人以上の登録コントリビューターを持つグローバル企業です。300以上の言語に対応しており、翻訳AIや音声認識AIの学習データ作成においては世界トップクラスの実績を持ちます。自動運転などの大規模画像処理も得意です。
サービスの特徴:
- 圧倒的な多言語対応力(300言語以上)
- グローバル規模でのデータ収集・作成が可能
- セキュリティ要件の厳しいプロジェクトに対応(オンサイト対応可)
- 自動運転、医療、金融など専門性の高い領域に強み
料金プラン:プロジェクトベースの見積もり
対応データ:多言語テキスト・音声、画像、動画、3D点群
おすすめな企業タイプ:多言語展開を考えるグローバル企業、超大規模なデータセットが必要な企業、外資系企業
6. Global Walkers:ハイレベルな画像処理技術
運営会社:Global Walkers株式会社
公式サイト: https://www.globalwalkers.co.jp/ai-solution/
画像処理・CV(コンピュータビジョン)の研究開発企業が提供するサービスです。ミャンマーに自社拠点を持ち、日本の品質基準で教育されたスタッフが作業を行うため、コストパフォーマンスと品質のバランスが非常に優れています。
サービスの特徴:
- 画像処理のプロが監修するため技術的な理解度が深い
- ミャンマーの自社ラボ活用によるコスト削減(国内比30-50%減)
- 3D点群やセグメンテーションなど高難易度タスクが得意
- 自社開発のAI自動アノテーションツール「Annotation One」活用
料金プラン:オフショア価格での提案(個別見積もり)
対応データ:画像、動画、3D点群、姿勢推定
おすすめな企業タイプ:画像・動画認識AIを開発する企業、コストを抑えつつ品質も確保したい企業、自動運転・ロボティクス分野
7. アノテーション代行サービス(ヒューマンサイエンス)
運営会社:株式会社ヒューマンサイエンス
公式サイト: https://www.science.co.jp/annotation/
マニュアル作成や翻訳業務で長年の実績を持つ企業が提供するサービスです。ドキュメント作成のプロならではの「作業マニュアル作り」の巧みさに定評があり、作業者ごとのバラつきを抑えた高品質な教師データを提供します。
サービスの特徴:
- わかりやすい作業マニュアル作成による品質均一化
- 国内アノテータまたは海外パートナーを選択可能
- 利用ツールに合わせた柔軟な運用体制
- セキュリティ教育の徹底(専用セキュリティルーム完備)
料金プラン:個別見積もり
対応データ:画像、テキスト、音声、動画
おすすめな企業タイプ:品質のバラつきに悩んでいる企業、きちんとしたマニュアルを作成して運用したい企業、自然言語処理分野
【比較表】アノテーション代行サービス7社一覧
| サービス名 | タイプ | 強み・特徴 | おすすめ企業 |
|---|---|---|---|
| FastLabel | ツール×代行 | 国産ツール・効率化 | 大手・AIベンチャー |
| TASUKI | BPO型 | SBグループ品質 | セキュリティ重視 |
| baobab | 専門家 | 設計・コンサル力 | 精度向上・難案件 |
| HARBEST | クラウド型 | 安価・大量処理 | コスト・スピード |
| Lionbridge | グローバル | 多言語・大規模 | 海外展開・外資 |
| Global Walkers | オフショア | 画像処理・技術力 | 画像AI・コスパ |
| ヒューマンS | マニュアル | 定義書作成・教育 | NLP・品質安定 |
目的別おすすめマトリックス:
- ツール導入も含めて効率化したい: FastLabel
- セキュリティと品質重視(非クラウド): TASUKI Annotation
- AI精度向上のコンサルも欲しい: baobab
- コスト重視・大量データ処理: HARBEST、Global Walkers
ノテーション代行を依頼する際の注意点【失敗事例から学ぶ】
ここまで業者選定のポイントを解説しましたが、実際の発注時にはさらに注意すべき点があります。導入企業の失敗事例をもとに、よくある落とし穴を紹介します。
注意点1:アノテーション基準の曖昧さ
失敗事例:「物体を囲む」という指示だけで発注したところ、業者によって囲み方がバラバラで使い物にならなかった。
対策:アノテーション基準を詳細に文書化し、サンプル画像で具体例を示す。「物体の境界ギリギリまで囲む」「余白を5ピクセル取る」など数値で明確化する。
注意点2:品質チェックの基準が未定義
失敗事例:納品後に精度を測定したら70%しかなく、再作業に倍の時間がかかった。
対策:契約時に品質基準(精度90%以上など)を明記し、リテイク条件を合意しておく。可能であれば途中確認のタイミングを設ける。
注意点3:データの前処理・後処理が未考慮
失敗事例:アノテーション作業だけ依頼したが、データ形式の変換や前処理が別料金で予算オーバー。
対策:見積もり時に、データ形式変換・前処理・後処理が含まれるか明確に確認する。一括で対応できる業者を選ぶと効率的。
注意点4:著作権・ライセンスの確認不足
失敗事例:インターネット上の画像を無断使用してアノテーション→著作権侵害で問題化。
対策:使用するデータの権利関係を事前に確認。業者がデータ収集も行う場合は、ライセンス取得済みか必ず確認する。
注意点5:コミュニケーション不足
失敗事例:発注後の連絡が取れず、納期直前に全く異なる成果物が届いた。
対策:定期的な進捗確認ミーティング(週次など)を契約条件に含める。途中段階での成果物確認を必須化する。
まとめ:自社に最適なアノテーション代行サービスを選ぼう
この記事では、アノテーション代行サービスの料金相場から業者選定のポイント、おすすめ7社の比較まで解説しました。重要なポイントをまとめます。
- 料金相場は作業タイプで大きく異なる:バウンディングボックス5-20円/枚、セグメンテーション30-100円/枚が目安
- 業者選定は5つのポイントで判断:対応作業種類・品質管理体制・納期対応力・セキュリティ・サポート体制
- 自社プロジェクトに合った業者を選ぶ:大規模案件→パソナ、低コスト→ランサーズ、多言語→Lionbridgeなど
- 小規模テストで品質確認してから本格導入:失敗リスクを最小化
アノテーション代行の活用で、開発スピードが向上し、エンジニアが本来のモデル開発に集中できる環境が整います。まずは自社プロジェクトの要件を整理し、2-3社に見積もりを依頼してみることをおすすめします。
品質・コスト・納期のバランスを見極め、長期的なパートナーとなる業者を見つけることが、AI開発成功の鍵となるでしょう。
